真田家が使った六文銭の旗印にはどんな意味があるのでしょう

真田家が使っていた旗印にある六文銭の意味

戦国時代や安土桃山時代の歴史に関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりに戦国時代の有名な一家系、真田家(さなだけ)が旗印に使用していたなどといわれている図柄、六文銭(ろくもんせん)の意味について書いてみたいと思います。六文銭と言葉で言われてもよくわからない方もおられるでしょうか。真田家が使用していた六文銭と呼ばれる図柄は横に三個の硬貨を並べたものを上下二列描いています。合計六個の硬貨があるので文銭です。文(もん)は古い時代に使われていたお金の単位です。そのようなデザインの絵を戦の時の旗印として真田家は使っていたのですが、この六文というお金の額には死んだあとの世界にかかわる意味が含まれているようです。あの世に行くのに必要な経費とか仏教の世界の有名な存在にお供え、お布施をするためのお金などといった言い伝えがあります。六文銭の意味としてはそのようなことがよく指摘されていますが、そのデザインを旗印に使用することで死ぬ覚悟、決死の覚悟をして戦うといった印象を戦う相手に示す意図があったのだろうといった見方があります。

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支障なくあの世へ行くためのお金

人が命を失ったあと、人の魂は三途の川と呼ばれる場所を渡ってあの世へ行くなどといったことが当時の世の中で信じられていました。川にかかった橋を渡るとか川の浅い所、深い所を渡るといった生前の行いによる扱いの違いが生じるなどといったことが時代によっては言われていたこともあったようですが、川を船で渡るなどといわれた時代もあったようです。いずれにしても人々の想像の世界ではその三途の川を何かしらの方法によって渡るわけですが、この川を渡る時にお金がかかるなどと言われていました。タダで渡らせてほしいものですが、この川を渡るために乗る船の乗船費が六文だとか、船といった手段以前に渡るために六文のお金を川のほとりにいる老女に渡さないと来ている衣服を奪われてしまうなどと考えられていたようです。昔の人はそういった考えの影響を受けて、普段の生活に比べて危険が強まるような出来事、旅に出たり兵として戦に出陣するような時には衣服に六文のお金を縫い付けたりしてお金を携帯していたのだそうです。

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お布施

六道。「りくどう」とか「ろくどう」などと読みます。以前浄土教の記事の時にも少し触れたように思いますが、人が死んだあとに生前のおこないに応じて生まれ変わる世界が異なると考えられていました。素晴らしい世界から順に天道(てんどう)、人間道(にんげんどう)、修羅道(しゅらどう)、畜生道(ちくしょうどう)、餓鬼道(がきどう)、地獄道(じごくどう)の六つです。名前からして修羅道以下の世界はろくでもなさそうな気がする世界です。天道は一番悩みが少ない世界で人間道はそのままの意味で人間の住んでいる世界。修羅道は争いや怒りの絶えない世界で畜生道は動物や虫に生まれ変わる世界。餓鬼道は飢えや乾きが常にある満たされない状態の世界で地獄道は最も罪の重い者が行く世界で大変恐ろしく、苦しまなければならない世界などと考えられていました。その六つの世界には地蔵菩薩(じぞうぼさつ)と呼ばれる仏教の世界で大変尊敬されている存在がおられ、それぞれの世界で苦しむ者を救ってくださると考えられています。それぞれの世界におられる地蔵菩薩に一文ずつお金をさしあげるということで六文必要となり六文銭用意するなどといった考え方もあるそうです。

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今回は戦国時代の有名な武将が家紋などとして使用していた六文銭について取り上げました。以前上杉謙信さんや武田家の旗印について記事にしたことがあったのですが他の武将について取り上げていなかったので、特徴的な印である真田家の六文銭の意味を今回は確認したく記事にしてみました。六文銭の意味を今回調べてみましたが三途の川にせよ生まれ変わり先におられる地蔵様へお供えするにせよ、どちらも死を連想する話です。ということで六文銭は死を連想させるデザインですが、そのことでかえって戦いに挑む意気込みが感じられる気もします。また戦ではないときに別の家紋を真田家では使っていたという話もあるようですが六文銭の意味を考えると確かに戦でない時に六文銭を使うのは縁起を考えると良い印象を与えない場合があるかもしれません。状況によって使い分けていたというのもわかります。ちなみに使い分けていた別の家紋は「結び雁金 むすびかりがね」というものです。鳥の横顔の下に筆記体の小文字のエルを逆さまにしたようなものが書かれた図柄です。雁(かり)という鳥は朗報をもたらす鳥と考えられていたので縁起のいい存在として様々な家紋に使われているそうです。柴田勝家さんという織田信長さんに仕えていた武将がいますが彼の家紋は雁の絵が二つ並んだ「二つ雁金 ふたつかりがね」と呼ばれるものなのだそうです。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

今回の記事ではゲタゲタさんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。

他の戦国時代の武将の旗印について触れている話「上杉謙信さんが用いた旗印にはどんな意味があるのでしょう」はこちらです。

今回の記事で名前を出した浄土教について触れている話「平安時代に浄土教が流行した理由は何だったのでしょう」はこちらです。

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