平成の日本がデフレになったのはいつからなのでしょう
いつから日本はデフレになったのでしょう
日本の物価の状態や過去の経済状況について関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では日本国が直近でデフレーション、デフレとなったのはいつ頃からなのかについて私なりに書いてみたいと思います。このデフレについては先ほども直近と述べましたように平成の時代に入ってからのデフレについて取り扱っておりまして、それよりももっと前の時代(第二次世界大戦終結後のいわゆるドッジラインによるデフレや戦前の世界恐慌、日本政府による金解禁政策実施後のデフレ、明治時代の松方正義大蔵大臣主導の経済政策によるデフレなど)に日本で起きたデフレ状態を指しておりません。その点ご了承ください。政治の世界でたびたび「デフレ脱却」が標語、スローガンのように叫ばれ、そのための経済政策の必要性が説かれてきたように思います。日本の発展にはデフレーションという経済状態を抜け出すことが不可欠ということで日本の金融政策を担当するのが仕事の日本銀行も金融緩和(きんゆうかんわ)を長らくおこなってきました。おかげで全体的に物価が下がるという状況を食い止めることには成功しているようなのですが、まだ物価上昇が前年比2%という日本銀行の目標数値に達してはいません。何年も物価上昇目標を達成できていないということで現在の日本社会は物価の上昇を抑える力が相当強いようにも感じるのですが、そんな平成日本のデフレ、物価が下がるという現象はいつから始まったのでしょう。政府機関である内閣府のホームページによれば物価指数を理由に平成十一年(1999年)以降にデフレ状態となったことが説明されていますし、GDPデフレータという指標から、1990年代後半以降のデフレ状態を指摘してもいます。1990年代後半の日本政治を担当した内閣ですが、順番に列挙すると村山富市(むらやまとみいち)内閣、橋本龍太郎(はしもとりゅうたろう)内閣、小渕恵三(おぶちけいぞう)内閣の三内閣がそれにあたります。
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消費者物価指数で見ると
消費者物価指数(しょうひしゃぶっかしすう)は一般の人々が消費する物品やサービスの値段の変動を表している数値です。この数字については日本政府が公表してくれています。政府統計の総合窓口というホームページを訪れますと消費者物価指数の前年比をエクセルというソフトを利用した状態で閲覧することができます。その閲覧できる数字によりますと生鮮食品を除いた他の物の値段を総合した物価指数前年比は1998年だと0.3で少し物価上昇、1999年は0、物価が上がっても下がってもいないという状態。そして2000年は-0.4となり物価が下がりました(数値がマイナスだと物価が下がったことを意味しています)。1990年から1999年までの10年間、この生鮮食品を除いた物価指数の前年比がマイナスの数値になったことはありませんでした。もっと言えばその政府のホームページで閲覧させてもらった資料の中には1970年以降の前年比が出ていましたが1970年から1999年まで前年比がマイナスになった年は無かったようです。長期間起きなかったことが2000年(平成十二年)に発生したわけで象徴的な時期と言えるのでしょう。その後2000年から2005年まで毎年この前年比の数値はマイナスとなります。そして2006年から2008年にかけて0~1.5の間で推移しました。この期間、物価の下落がおさまったということになりましたが2009年から2012年は再び前年比がマイナスの数値になってしまいました。ということで消費者物価指数の前年比を見てみますと2000年頃から物価の下落、デフレが始まっていると見ることができます。消費者物価指数については生鮮食品だけではなくエネルギー物資も除いた物価で評価すべきという意見もあるそうです。その場合でも2000年から数値がマイナスとなっています。
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GDPデフレーターという数値では
物価の上昇や下落を見る指標としては、前の項目で扱った物価指数の他にもGDPデフレーターというものがあります。このGDPデフレーターというのは物価の変動による影響を排除したGDP(国内総生産)である、実質GDPを計算するために使用されます。物価の変動による影響を取り除いていないGDPは名目(めいもく)GDPと言います。名目GDPと実質GDPとGDPデフレーターの関係は、名目GDP/実質GDP=GDPデフレーターとなります。このGDPデフレーターというのは前期のデフレーターとの比較によってインフレなのか、デフレなのか判断することができます。前期比は(当期のGDPデフレーター-前期のGDPデフレーター)/前期のGDPデフレーターの値に100をかけることで算出します。このGDPデフレーターやGDPデフレーターの前期比は政府の機関、内閣府が公開してくれています。2000暦年連鎖価格GDP需要項目別時系列表というページでGDPデフレーターの資料を大抵パソコンに備え付けられているエクセルソフトによって閲覧できるようになっています。暦年デフレーター(前年比)という項目があるので見てみますと、1981年から2010年までの前年比が表示されます。この前年比数値がマイナスの数字になっている場合はデフレであることを示しています。1980年代は1987年が-0.1となっただけで他の時期は数字がプラスになっています。1990年代の場合、1994年まではプラスの数字となっています。しかし1995年が-0.5となることを始まりとして1997年が0.5、1998年が0となったのを除いて2010年までずっとマイナスの数字となっています。ということで1997年、1998年の2年は当てはまりませんが1995以降は大抵数字がマイナスとなっているので1995年頃からデフレ状態になったとGDPデフレーターという指標からは言うことができるようです。
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今回は平成時代の日本国がいつからデフレ状態になったのかについて一部取り上げました。以前消費税率が8%から10%に引き上げられることになりそうだという見方が強かった時期に、ある経済分野の専門家が、「もし10%に引き上げたら日本は絶対デフレに逆戻りします。」と熱弁していたことがありました。以前そんな話をインターネット動画で聞いた記憶があり、平成時代に日本がデフレになったことと消費税って何か関係があるのだろうかと思い、確かめてみたくデフレが始まったと思われる時期を調べようと考え今回のようなテーマの記事を作ってみた次第です。今回の記事で述べましたように、参考にする指標によってデフレと判断する時期が1990年代半ばと2000年頃という見方が出来ます。1990年代半ば、1995年頃は消費税が3%のままだった時期で、別に5%となっていません。3%から5%に税率が引き上げられたのは1995年から2年後の1997年4月のことでした。消費税関連の動きとしては1994年の11月に3%から将来5%に引き上げますよという法律が成立したということはあったようですけれど。税率の実際の引き上げとなる以前の、この法律成立がデフレに影響したかというとよくわかりませんが、1994年から5%実際に税を徴収しだしたわけではありませんので関係は薄いんじゃないのかなと勝手に想像しています。ただ物価指数ですとデフレ状態が2000年頃(1999年頃からと言うことも出来るかもしれませんが)から始まっていると見ることができるので消費税率引き上げから少し時期が経過して日本の景気に悪い影響を与え、デフレ圧力を強めてしまったということで関連付けることが出来るのでしょうか。ともかく日本はデフレを克服するために大変なエネルギーを使っていますので、私は消費税のせいでデフレになったと言えるような立場ではもちろんありませんが、これ以上自らデフレ克服を阻害するような政策を実施することが無いよう関係者にはぜひお願いしたいところです。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
今回の記事ではB.B.E.さんによる写真ACからの写真を使用させていただいております。
経済分野の用語「リフレ」について触れている話「経済のニュースで出てくる『リフレ』という用語の意味は?」はこちらです。
バブルと呼ばれた時期の日本銀行の金融政策について触れている話「バブル崩壊の前、日銀の公定歩合はどうなっていたのでしょう」はこちらです。
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