経済連携協定、EPAとは?メリットやデメリットについても

経済連携協定(EPA)とは

 

経済連携協定とはアルファベットでEPA(イーピーエー)と表示されます。EPAというのは英語でEconomic Partnership Agreement エコノミー パートナーシップ アグリーメント と表現される言葉の頭文字をとったものです。直訳すると「経済的な協力関係の合意、契約」ということになりますが世の中では「経済連携協定けいざいれんけいきょうてい」と訳されこの言葉が使われています。

経済連携協定というのは二か国間、またはそれ以上の数の参加国が物の貿易、サービスの貿易に関して関税を無くしたり、これまでに比べ低くしたりすることや、参加国間の国民の移動、参加国の間での投資に関する規制を取り外すこと、参加国の間での企業間の競争をするにあたって公平に競争できるようルールを設定すること、国の政府、地方政府、自治体が民間企業から必要な物品やサービスを購入したり、公共事業をお願いすることを「政府調達せいふちょうたつ」といいますがこの政府調達に国内企業だけではなくEPA参加国の国外企業も参加できるようにするような規制の緩和、特許などの知的財産を保護するルールを決めること、参加国間の経済支援などなど、広い範囲に及ぶ経済的な取り決めに関する条約のことを言います。ここで書いただけでも相当広い範囲の内容を決める条約であることがわかっていただけるのではないでしょうか。

 

上で書いたことについて少し補足します。記事を作っていて「サービスの貿易」というのは個人的によくわかりませんでした。電化製品、車、農産物、鉱物資源といった品物の貿易についてはわかるのですが、この「サービスの貿易」というのは電話などの通信サービス、スーパー、大型店舗といった小売業などの流通サービス、保険や、銀行などの金融、といったサービスの分野で日本に居ながら日本以外の会社のサービスを利用すると「サービスの貿易」をしたということになるのだそうです。

国家間の投資の規制を取り外すというのは、どういうことが出来るようになることなのかというと、参加相手国の企業の株を購入して会社を買収することや相手国の国内で新たな会社を作ったり、既に存在している会社の株を購入することでその会社の経営に参加したり、企業にお金を貸したりすることが出来るようになるそうです。わかりにくい言葉について少し補足してみました。

 

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経済連携協定(EPA)のメリット

 

このような条約が結ばれると貿易規則によっては条約相手国に物を輸出する場合、関税がこれまでに比べて大変安くなります。そうすると輸出された品物を条約相手国の人たちが購入してくれる頻度は増えることになります。輸出企業にとって儲けるチャンスが増えることになります。

また条約相手国から物を輸入する場合関税があまりかからなくなるため輸入品が安い価格で国内を流通することになりますから国内の買い物をする人は安く輸入品を買う事が出来るようになります。

このように他国の安い製品が国内で流通することで物価、物の値段がおさえられる傾向が出てきます。物の値段が高くなると国民の生活にとって負担になりますので、物の値段が抑えられることは生活者にとって助かるという側面があります。

また、野心的な国内企業にとってはEPA参加相手国に投資する場合の規制が取り外されると、相手国の有望な企業を買収したり、有望な企業の経営に参加したり、相手国内で新しい会社を作ったりすることがしやすくなり、相手国でお金儲けできるチャンスが拡大します。

また、人の移動に関する規制が無くなったり緩くなったりすることで経済的な理由でEPA参加相手国に移動して働き生活する人が増え、国内企業にとっては労働力を確保しやすくなります。

また政府調達の規制が緩くなったり、取り外されることになるとEPA参加相手国の政府や地方自治体から必要な物品を購入してもらう機会が増えたり、公共事業の入札に参加することが出来るようになってお金儲けできるチャンスが拡大します。

 

他にもまだまだメリットはあるかもしれませんがさしあたって以上のような利点、メリットが考えられるかと思います。

 

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経済連携協定(EPA)のデメリット

 

経済連携協定という条約が結ばれると強い企業、生産者にとっては上に書いたようなお金儲けのチャンスが拡大します。それはつまりEPA参加相手国内で他の企業との競争に勝利するということです。勝利する企業があるということは競争に敗れる企業が出るということです。EPAを結ぶ前はそれなりに利益を得ていた企業や生産者はEPAが結ばれることによってEPA参加国から競争力の強い企業や商品が入ってきて厳しい競争にさらされるという側面があります。その厳しい競争に敗れ儲けられなくなった会社、生産者は業務の継続が難しくなり倒産、廃業に追い込まれる危険性も出てきます。その企業では国内の人たち、国民が勤めていたわけですし従来の国内生産者は当然その国の国民です。そういった人たちが働く場所を失うことにもつながります。

つまり競争力のあまりない国内の会社や国内の生産者はお金を儲けるチャンスを減らし倒産、廃業に至る危険性が大きくなるというデメリット、欠点があります。

 

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今回はEPA,経済連携協定について取りあげてみました。この話題を取りあげたのは先日「日本とEU(欧州連合)との間で経済連携協定が合意する可能性が高い」という話を耳にして、経済連携協定というのは何を決めることなのかあまりよくわからず調べてみたくなったためです。貿易に関わる物品の関税に限った話では全くないようですね。

最近は他国との経済分野での協定が頻繁に行われているように思いますが、そのたびに農産品の国内生産者の立場はよく紹介されているように思います。でもそれはあくまで貿易に関する話です。他にも経済連携協定を結んだ相手国によっては、労働者として日本国内に移ってくる人たちが増えてくるということにもなるようですね。条約を結ぶ国にもよりますが、条約相手国から介護労働者の流入が増加することが期待されているなどという意見を聞くことはあるように感じます。

このような他国との垣根(かきね)をどんどん取り外すことで有利なのは競争力の強い企業、生産者ですがそのような企業、生産者に関わる国民の数は競争力が弱く淘汰されていく国内企業、生産者に関わる国民の数と比べどれくらいの割合なのでしょう。日本国政府は全体的に見て日本国にとって利益になるからという理由で経済連携協定を結んでいるということなのでしょう。しかしそうもくろんで結果的には協定を結んだ5年後、10年後に割を食う日本国民がたくさん出てくる、などというようなことが無ければいいなとも思います。

今回の日本とEUの経済連携協定で政府調達の分野はどうなるのでしょう。日本国民の税金で行われる国や地方の公共事業の仕事を他国の会社が入札で得て利益を持って行ってしまうという構図には違和感があります。公共事業は国内の経済を刺激する、活性化するという役目もあるはずです。その大切な役割の国内企業による公共事業を減らすことになって大丈夫なのでしょうかね。日本国の富が他国に吸い取られてしまうような印象を持つのは私が被害的に考えすぎるからなのでしょうか。EPAを盛んに結ぶことで日本国民の多くが利益を得る結果になるのかどうか、個人的に気になる話題でした。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

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