イラク戦争は日本の自衛隊にどの様な影響を与えたのでしょう
イラク戦争によって自衛隊が受けた影響
西暦2003年(平成15年)の3月にイラク戦争と呼ばれる戦争が始まりました。中東に存在するイラクという国が大量破壊兵器の保有に関して国連の査察にしっかりと協力していない、イラクが大量破壊兵器を保有している疑いがある、といった理由でアメリカを中心とする国々がイラクを攻撃することでこの戦争は始まっています。大量破壊兵器というのは核兵器や化学兵器、生物兵器といった多くの人々を殺傷したり多くの建造物を破壊する能力を持った兵器のことを意味しています。この戦争は平和条約が結ばれておらず、通常の戦争終結の形式がとられていませんが、アメリカの大統領が2011年にアメリカ軍がイラクから撤収した時にイラク戦争が終わったことを宣言したそうです。2011年まで続いたこの戦争によって日本の自衛隊はどのような影響を受けたのでしょう。イラク戦争が始まったことで、自衛隊は戦争が終結していない地域に初めて陸上部隊を派遣することになりました。また航空自衛隊はこれまでと比べ危険性の高い地域での輸送活動をおこなうこととなりました。また、イラクへ派遣された自衛隊員の中から任務期間中、命を落とされる方々が出たという大変いたましい出来事が発生しました。自衛隊が受けた影響については代表的なものとして以上のようなことが挙げられるかと思います。
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地上部隊の派遣
それまでも自衛隊は地上部隊を他国に派遣してきた実績がありました。国連のPKO(平和維持活動)の一環として国連の機関が統治していたカンボジアに行き物資の輸送や道路設備を整えるなどの協力をおこなっていたのは有名な話です。ただそのような派遣は戦争が終わった地域に対して実施されていたのであって、戦争が続いている期間に自衛隊の地上部隊が派遣されるようなことはイラク戦争の時までありませんでした。イラク戦争に関連してアメリカなどのイラクを攻撃している国々に協力するための根拠となる法律が必要となり、日本政府が積極的に動いていわゆる「イラク特別措置法」という法律が国会で2003年の7月に成立しています。この法律に基づいて陸上自衛隊が2004年1月以降イラクに派遣されることとなりました。イラク特別措置法では戦闘地域ではない場所での自衛隊の活動を認めています。陸上自衛隊はイラクの南部に派遣され、そこで医療支援や戦闘で破壊された公共施設の復旧、地域の人々に対する水の提供など多くの貢献をしました。
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航空自衛隊の活動
航空自衛隊の輸送機が戦争中のアメリカ軍に協力するということはアメリカ軍がアフガニスタンを攻撃したことで始まった2001年以降のアフガニスタン紛争の期間、既におこなわれていましたが、航空自衛隊の輸送機が活動していた場所はアフガニスタン地域ではなく日本国内のアメリカ軍基地やグアムの基地であってアフガニスタンのような戦闘がおこなわれている地域ではありませんでした。このような活動は2001年10月に制定されたいわゆる「テロ特措法」という法律に基づいて行われていました。しかしイラク戦争後、航空自衛隊の輸送機はアメリカなどイラクを攻撃した国々と敵対する武装勢力が攻撃してくる危険性もあるイラクの首都バグダッドの空港やイラクの北部地域でも輸送活動をおこなうようになりました。イラク国内の治安を確保する目的で派遣されたアメリカなど多国籍軍の兵員を輸送するような任務も担当していたそうです。
死亡された方々がおられます
防衛省の2007年の発表によりますと、このイラクに派遣された自衛隊の方々の内、35名の方々が派遣されている在職中に亡くなられています。陸上自衛隊で14名、海上自衛隊で20名、航空自衛隊で1名というのがその内訳です。この35名のうち16名の方々が自殺によって亡くなられました。戦闘が理由で亡くなられた方は防衛省の発表によれば1人もおられません。イラクに派遣された自衛隊員の方々の人数は8790人だったそうです。派遣された方々のうち約0.4%の方々が亡くなられたことになります。
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今回はイラク戦争が自衛隊に与えた影響について一部取りあげました。2003年当時盛んに報道されていたイラク戦争ですけれど、この戦争が日本にどのように関わっていったか調べてみたく自衛隊に関連した記事を今回作ってみました。これまでの他国での自衛隊の活動と比べ、より危険性の高い中で活動されていたということを確認することが出来ました。派遣された方々の中から自殺する方が出たのはそういった事情が関係しているのでしょうか。自殺された方々の数が多いことはとても意外であり、戦争が続いている国で活動することの厳しさを物語っているような気がしました。厳しい環境の中、日本の名前を背負ってイラク地域住民や多国籍軍に協力されていた自衛隊員の方々にかかる重圧というのは平和な地域で生活している立場からすると想像を絶するものなのでしょう。辛い思いをされた隊員の方々を、国としてもしっかりと支援するべきなのでしょうね。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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