明治７年の台湾出兵とは？出兵した原因や事件の結果について
台湾出兵とは？
「台湾出兵」は西暦１８７４年（明治７年）に日本がおこなった軍事行動です。３０００名ほどの兵員が台湾に派遣されました。派遣された軍の指揮官は西郷従道（さいごう じゅうどう）という人です。この方は明治維新でたびたび出てくる西郷隆盛さんの弟です。この軍事行動は「征台の役（せいたいのえき）」とも呼ばれ、明治維新以降日本の軍隊が初めて海外に派兵されたという出来事でもありました。
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台湾出兵が実行された原因は
そもそもの原因は日本人の関係するトラブルが台湾で発生したことにあります。当時台湾は中国大陸の国「清」の領土でした。清はイギリス、フランスとの戦争に敗れはしていたものの、日本に比べ広大な領土を有する力のある国でした。
琉球の船が漂流して台湾に流れ着くという出来事が西暦１８７１年に起きています。漂着した琉球の人たちを台湾に住んでいた人たちが助けてくれればよかったのですが、言葉が通じないことや漂着した琉球の人たちの行動に台湾の人たちが不信感を持ってしまったことなど残念な状況が重なってしまいました。漂着した琉球の人たちのかなりの割合が現地の人に殺されてしまったのです。
明治政府は琉球の人たちを日本人と見なしていたため、多くの人が犠牲になったこの事件の究明が必要と考えました。（当時琉球の所属は日本なのか清なのか明確となっていない時代でした。）台湾は清の領土ですから、清の政府に事件の責任を追及し賠償を求めたそうです。しかし実際清国は台湾をしっかり統治できていなかったという事実があったのかもしれませんが、台湾で発生した事件に関し清国は責任を負えないと日本政府に回答してしまいました。
自国領土で発生している事件なのに、そんな話があるかと日本側で不満がたまっていきました。その後日本の船が台湾に漂着して現地の人から略奪される事件が発生してしまい、台湾に出兵して問題を起こしている現地の勢力に報復するべきだという意見が日本側で強まっていきました。
このように日本関連の船が台湾に漂着した際に事件となることが続いてしまい台湾出兵の直接的な原因となったようです。
しかし当時明治政府が行った政策によって特権を奪われていった士族の人たちの不満のはけ口として一部の政府関係者が出兵を主張したとか国内で要人暗殺未遂事件や九州で反乱事件が発生していたことから台湾出兵をおこなって国内で不満を持っている人たちの視線をそらせようとした、といった指摘もあるようです。しかしこの指摘に関しては妥当なのかよくわかりません。
また米国外交官が日本政府に一連の事件について、台湾の現地勢力に報復するべきだと提案していた事実はあるようです。他国からの働きかけがあったんですね。
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台湾出兵の結果は
日本政府から軍が派遣され西暦１８７４年５月に攻撃を加えています。翌月には漂着民の事件が発生した地域を日本側が押さえることとなりました。その後交渉が終結する１２月まで日本軍は現地に駐留しています。
日本側の軍事行動に台湾を領土としている清国や日本側が勢力拡張しようとしていると警戒したためなのかイギリスが抗議したそうです。アメリカとは立場が違いますね。結局日本は清国と協議することとなりました。その結果今回の出兵は日本人保護のためおこなった事であると清国が認め、清国は台湾に漂着した日本人に対するお見舞金という名目でお金を支払っています。また出兵した日本軍は１２月２０日までに台湾から引きあげることとなりました。
また台湾出兵の話とずれてしまいますが、今回の清国との協議で清国側が事件の被害者である琉球の人たちを日本人と認める結果となりました。清国が琉球は日本に属していることを認める一つのきっかけになったわけです。
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今回は台湾出兵について調べてみました。日本と清国の話し合いで清国がお見舞金を日本側に支払ったという歴史的事実がありますが、その額は１０万両（テール）（両は清国の通貨単位です）でした。相当な額のようです。現在仮に日本人が国外で事件に巻き込まれ、犠牲になった場合に事件発生国から日本への見舞金支払いなどあるのでしょうか。個人的な経験では聞いたことがありません。保険制度が発達しているからそのような話が出ないのでしょうか。今回の出来事を調べていて長州藩による攘夷行動（外国船への攻撃）の責任を取らされて江戸幕府が欧米列強に金を要求された構図と重なって見えました。
もし江戸幕府が日本を仕切っていた場合、このような問題が発生したら清国とどのような協議をしたでしょう。江戸幕府であればそもそも台湾に出兵などしたのでしょうか。考えてみると何百年も続いた江戸幕府が朝鮮や清といった近隣諸国と武力衝突した話って聞いた記憶がありません。豊臣秀吉さんが朝鮮を侵略した話は有名ですが。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
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