いらっしゃいませ！気になったテーマで記事を書いております。

• 2019.1.16
• 奈良時代以前の話題です, 現在の社会にいたるまでの歴史に関する話題です
• 日本皇室・朝廷, 朝鮮半島, 王朝（中国大陸の大国）

朝鮮半島の戦、白村江の戦いに日本はなぜ関わったのでしょう

日本がなぜ白村江の戦いに関係しているのでしょう

白村江の戦い（はくすきのえのたたかい）に関心を持たれている皆様こんにちは！この記事では朝鮮半島で発生した戦いである白村江の戦いにどうして半島の国ではない日本が関係しているのかについて私なりに書いていきます。まず白村江の戦いについての説明ですがこの戦争は西暦６６３年に朝鮮半島の南西部で起きています。日本は飛鳥時代でした。日本の政権である朝廷が朝鮮半島に派遣した軍勢とすでに滅んだ国、百済（くだら　もともと半島の西部にあった国）の復興を図る武装勢力の連合軍が唐（とう）と新羅（しらぎ　半島の東部にあった国）の連合軍と戦いました。結果は御承知かと思いますが、残念なことに日本と旧百済の勢力側が大敗、大負けしたと言われています。そういった戦いが大昔、朝鮮半島で起きたのですが、日本の政権がこの戦いにわざわざ関係した、百済側に立って唐や新羅と戦ったのはなぜなのでしょう。自国の影響力を朝鮮半島内に確保しておきたかったからという見方が多いようです。

関係が良好な国を存続させたかった

先ほどから百済という国の名前を出しておりますが、この国は同じ朝鮮半島の国、新羅と中国大陸に広大な領地を保有していた唐の連合軍によって西暦６６０年に滅ぼされてしまいました。西暦３００年代に建国された百済は日本との関係が強かったそうで、もともと百済の領地の南部には日本の政権が関係するお役所が置かれていたそうですし百済からの軍事援助の要請があれば日本側はそれに応じるような間柄でした。百済が以前高句麗と戦った際に日本側は百済に対し軍事支援するようなこともありました（負けたそうですけれど）。そういった自国の意向をある程度汲んでくれるような間柄の国が朝鮮半島に存在しているということは大陸の勢力による侵攻から日本を防衛する上でも都合の良い話と言えます。しかしそんな百済が唐や新羅に滅ぼされてしまい百済ほど日本との関係が良好とは言えない新羅が唐の力を背景に朝鮮半島内で支配地域を広げてしまっています。百済という国が滅びたとはいっても百済に元々所属していた武装勢力が残っていて、そういった勢力の人々は再び百済という国を再興しようという志を強く持っていました。このような状況から百済という国が存在していたほうが都合のいい日本としても国の再興に手を貸した、ということのようです。

日本の対応

元百済の武装勢力から日本に人質として送り出されていた百済の王族のかたを朝鮮半島に送り返してほしいという要請があったため、日本の政権は人質となっていた方を半島に戻し、日本から２万人以上の軍勢を朝鮮半島に派遣しています。しかし白村江の戦いで大敗した日本はやむを得ず撤退することとなりました。日本から半島に戻った百済の王族のかたは白村江の戦いに敗れてしまったため唐や新羅と対立していた国、高句麗（こうくり　半島の北部にあった国）に避難しました。こうして百済を再興する動きは封じられてしまうことになります。この戦いで大負けしてしまったことで日本の政権は唐や新羅の連合軍が日本に侵攻してくることを憂慮し現在の福岡県にあたる地域に、防衛するための施設、水城（みずき）という砦（とりで）を建設したり、防人（さきもり）と呼ばれる軍務従事者を九州北部、対馬、壱岐などに多数派遣し警戒にあたらせました。また唐や新羅の軍勢による弾圧を恐れて亡命を望む多くの百済の関係者を日本に受け入れ、生活上の便宜を図ったのだそうです。

今回は白村江の戦いについて一部取りあげました。朝鮮半島をめぐる戦いに、しかも唐という国力のありそうな広大な国を敵に回して日本がなぜ戦う決断をしたのかよく理由がわからず今回のようなテーマの記事を作ってみようと思いました。唐のような大国と良好な関係を維持するよりも朝鮮半島内に影響力を維持したい、関係の良好な勢力が半島にいてもらうことを望んだということなのですから、古代から日本にとって朝鮮半島という地域はどれだけ重要な地域だったと見られていたか、ということがこの出来事での日本の動きからもうかがえるように思います。戦いになる以前に唐や新羅の軍に関する情報を日本側はどれだけ承知していたのか気になりました。大負けしたということは敵側の軍備をよく知らずに戦ってしまったということなのかもしれません。急いで対応しなければならないといった事情があったんでしょうかね。この敗戦を受けて日本は先ほどの項目でも触れた通り侵攻されそうな地域の防備をかためますが、その他にも国の仕組みを急いで変えていったと言われています。国の権限を中央に集めるといった流れは白村江の戦い以前から日本で始まっていたようですが、唐や新羅に対抗できる体制を整えなければならないという切迫感が加わり改革の速度が速まった、そういった見方が多いようです。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。　　<(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

桃山時代に起こした朝鮮半島での戦いについて触れている話「秀吉さんが命じた朝鮮出兵はどんな結果になったのでしょう」はこちらです。

朝鮮半島を統一した新羅との交流について触れている話「日本は半島を統一した新羅とどんな外交をしたのでしょう」はこちらです。