世界銀行という機関が設立された目的は何だったのでしょう
世界銀行が設立された目的
ニュースに出てくる言葉について関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では私なりに「世界銀行(せかいぎんこう)」という国際的な機関が設立された目的について書いてみたいと思います。たまにニュースで耳にするこの世界銀行。銀行というのですから何らかの対象にお金を貸す、融資(ゆうし)する機関ということになりますよね。この機関は組織内の会議で相談し特定の国の政府や民間企業に対しお金を貸しています。以前は日本も世界銀行に融資してもらっていたことがありました。この世界銀行というのは国際復興開発銀行という機関と国際開発協会という二つの機関をさして呼ぶことが多いのだそうです。ただ誕生した時期は異なっていて国際復興開発銀行は昭和二十年、西暦1945年に、国際開発協会は昭和三十五年、西暦1960年に設立されました。先に設立された国際復興開発銀行はある会議で設立されることが決定し会議参加国の間で協定が結ばれた結果誕生しています。国際復興開発銀行協定というそのままの名前の協定です。その協定内に銀行設立の目的が示されており、協定加盟国の復興や開発の援助、民間の立場からの投資を促進すること、国際貿易の発展、重要な事業への融資を優先しておこなうこと、経済体制の変化を援助することなどといった内容が盛り込まれています。
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復興、開発
戦争、第二次世界大戦で様々な国の設備が破壊されました。アメリカ国内はそれほどの被害が出ませんでしたが、ヨーロッパは戦場にもなりましたし、戦争が終わって間もない頃は生産設備も多数破壊され第二次世界大戦が発生する以前のような生産活動をすることは困難でした。そのため国際復興開発銀行からお金を貸して欧州など戦争被害に遭った国々の平和的な生産活動のための設備を立て直し、戦災に遭った国々の復興あるいは開発を援助しようという目的がありました。
民間からの投資の促進
民間業者が特定の対象にお金を投資する場合、極力安全な対象にお金を出したいと考えるものかと思います。きちんと決められた期間までに投資した事業が相応の利益を出すことが出来ないとか利益を出せないだけではなく大きな損失を出してしまうなどといった結果になってしまったり、業者がせっかく投資したお金を投資先が投資、融資チャラ、帳消しにしてしまっては、お金を出した民間業者の経営を悪化させてしまいます。そのためちゃんと投資に応じた成果を出してくれる可能性の低い国の政府、民間企業に対する投資はどうしても滞りがちになってしまいます。そういったお金を出す民間業者の及び腰を少しでも積極的なものにするために、世界銀行は必要と判断した特定の事業に関して民間業者が貸したり、投資したお金を保証するということにしました。上手くいかなかった場合は世界銀行がお金を肩代わりということですね。世界銀行がお金を保証してくれるということになれば、保証がない場合に比べ安心してお金を貸してくれたり投資してくれる業者も増えることが期待できます。
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国際貿易の発展
世界銀行に加盟する国々が生産力を回復させて、その国の人々の生活状況が改善したり、経済力が向上することで物の消費が増加し国内のものだけではなく国外の品物を消費する機会も増加することになります。それは国家間の貿易が発展することにもつながります。そういった結果につながることを期待して世界銀行に加盟している国々の生産力向上につながる開発をおこなうことも目的としました。
経済体制の変化を援助
第二次世界大戦に参加し戦争をした国々では戦争に必要な物資を生産するため、戦争に勝利するために政府が国の経済を様々な面で規制していたようです。戦時経済というのは統制された経済ということのようで、そういったしがらみの強い経済の仕組みは戦争も終わることだし、もうやめましょうということになって、平和時の経済、軍需物資生産に偏らない経済の仕組みに変化していくことを手助けするということも目的となっていたようです(軍事的に必要となる物資とあまり関係のない事業を融資先として重視するようなことでこの目的の達成を図ったということなのだろうと思います)。
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今回は世界銀行の設立目的について一部取りあげました。最近のニュースで世界銀行のトップ、総裁が辞任するという話を耳にし、そもそもの世界銀行の役割が何だったのか確認し直してみたくなり今回のようなテーマで記事を作ってみました。第二次世界大戦という大変大きな戦争が終了した後を見据えて、復興のために創られることとなった機関というわけです。本来の目的、第二次世界大戦後の復興という意味が薄れた時代になってからは発展途上国などへの支援のために、開発目的の融資などをおこなっているようです。この世界銀行の総裁はアメリカ人が担当するということが通例となってきました。世界銀行を設立するという結論を出した国際的な会議、ブレトンウッズ会議は第二次世界大戦の「連合国」に加わっている国々が参加して開かれた会議です。ということで連合国側の最も指導的な立場の国、影響力の大きな国、アメリカ合衆国の国籍の人物が世界銀行のトップにおさまるというのもそういった歴史的な経緯から来ているのでしょうね。世界銀行の融資先の決定については世界銀行に出資している額が大きいほど決定する権限が強まる仕組みとなっているそうです。一番出資しているのはアメリカです。ということで融資先の決定にはアメリカ政府の方針が強く影響するのでしょう。日本は二番目に出資額が大きい国となっているそうです。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。 今回の写真は丸岡ジョーさんによる写真ACからの写真を使用させていただいています。
世界銀行と日本のかかわりについて触れている話「日本が世界銀行に加盟したのはいつでしょう?理由についても」はこちらです。
日本国による他国向けの援助について触れている話「日本のODAの順位はどう変化してきたのでしょう」はこちらです。
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