どんぐりの食べ方は縄文の頃だとどのようにしたのでしょう
縄文時代のどんぐりの食べ方
大昔の日本に関心を持たれてこのページに来られた皆様、こんにちは!この記事では縄文時代の日本の人々がどんぐりをどうやって食べていたかについて私なりに書いていきたいと思います。どんぐりと聞いても個人的には小さい頃に林などで落ちているどんぐりを見つけた記憶があるくらいで「あ、どんぐりだ。」くらいで終わってしまい、それをおもむろに拾ってパクッと口に入れるようなことは全くありませんでした。「そんなもの食べられないよ」と年長の人たちに教えられていたからです。大体とても硬い実ですし食べられそうな印象もあまり持てません。木苺みたいな実であれば抵抗無く口に運ぶのでしょうけれど。そういったどんぐりであっても大昔の日本が縄文時代だった頃、人々はどんぐりを頻繁に食べておられたようです。ちなみに縄文時代の人は栗やクルミ、トチの実、どんぐりといった木の実を食べていたそうです。木の実の収穫量を増やすためにそのような実を付ける木を増やすようなこともされていたのだとか。栗やクルミは現代でも大変好んで食べられている木の実ですね。トチの実についても食べられるようにするために加工した後、もち米と一緒にしてお餅にする「とち餅」といった食べ物が現代でも作られています。ちょっと話がそれました。そういった木の実とは別にしてどんぐりです。どうやって食べていたのでしょう。そのままのどんぐりを食べていたというわけでは必ずしもないようです。食べやすくするように水にさらしたり、沸騰したお湯の中に入れて加熱したり、粉のように細かくするような作業を経た後に食べるようにしていたのだろうと言われています。
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食べるための工夫
現代人よりも縄文時代に生きていた人々はすごく我慢強くて今の人々であったらとてもまずくて食べられないどんぐりを根性で食べていた、ということではないようで、それなりに食べやすくするための対策を講じていました。どんぐりを食べるにあたって壁になってしまうのはアクのせいで感じる何とも言えない嫌な味や硬さだと思われます。嫌な味、渋みがあるのですが、その原因はどんぐりの中に含まれている成分、「タンニン」なのだそうです。このタンニンという物質は水に溶ける性質があり、生のままのどんぐりに比べれば、水にさらすことで水の中にどんぐりのタンニンが溶けていきますから嫌な味、渋みが減っていくのです。また高温のお湯の中に入れることで更にアク、タンニンを効率よく出すことが出来るのでそういった手間も加えていたようです。またどんぐりを細かくした後に水にさらしたりお湯の中に入れるとタンニンを更に取り除きやすくなるため当時用意出来た道具を使って細かく切ったり粉状にすり潰したりしていたと見られています。
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中には食べやすいどんぐりも
前の項目では渋い、嫌な味のどんぐりをどうやって食べたのかについて書きましたが、そのような手間を加えずに食べられるありがたいどんぐりも一部に存在します。「スダジイ」という種類の木になるどんぐりや「マテバシイ」「ツブラジイ」といった種類の木になるどんぐりは生で食べられるそうです。これらの木のどんぐりに含まれるタンニンの量が少ないのが理由です。スダジイのどんぐりはタンニンを含んでおらず、マテバシイ、ツブラジイのどんぐりはタンニンの量が一般のどんぐりに比べて凄く少ないそうです。ただ木の写真を見てみても見分け方は私にはよくわかりませんでした。スダジイは温暖な地域で育つことの多い木だそうで福島県、新潟県以南の地域で成長しやすいと言われているようです。
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今回は縄文時代の人々がどうやってどんぐりを食べたかについて取り上げました。歴史を取りあげる記事をこれまで作ってきましたが大昔の日本の分野になると個人的に興味がわくテーマも限定されてきています(汗)。そんな中、縄文人の食生活について教科書を読み直していたところどんぐりを食べていたという内容を見かけて「あれをどうやって食べるんだ?」とすごく疑問に感じ、こういったテーマの記事を作ろうと思いました。そのままだとまずくて食べられないことが多いと思われるどんぐりですが、栄養面では炭水化物もタンパク質も脂質もそれなりに含まれている、縄文時代の人々が生きていくためにすごく役立った食べ物でした。じつは縄文時代などというおそろしく大昔の話でなくても、第二次世界大戦を懸命に戦っていた日本の人々は大変な食糧難の中どんぐりも食料として利用していたのだそうです。ということは江戸時代などでも飢饉で苦しんでいた頃はおそらく何らかの手を加えてどんぐりは人々に食べられていたのだろうなぁなどと推測してしまいます。戦中戦後にどんぐりを食べて飢えをしのいだ人たちもいたということは初めて知りました。現代のわれわれでも食べられる手軽な方法がもしあるのなら知っておいて損になることは無いのでしょうね。そんな知識が必要不可欠になるような時代にならないのが一番いいのですけれど。
今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。 <(_ _)>
※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。
人々が飢えに苦しんだ時にとられた対策について触れている話「江戸時代には飢饉の対策としてどのような事をしたのでしょう」はこちらです。
食費の高騰によっておきた社会の混乱について触れている話「江戸時代の打ちこわしとはどのようなものだったのでしょう」はこちらです。
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