日本でゼロ金利政策を開始したのはいつからだったのでしょう

日本のゼロ金利政策はいつから

 

日本のいわゆる「ゼロ金利政策 ぜろきんりせいさく」というのは、ある特定のお金の貸し借りについてお金を貸す時の利率を非常に低くするという経済政策です。お金の貸し借りの利率、金利を調整して世の中に出回るお金の量を制御するような政策は金融政策(きんゆうせいさく)と呼ばれる分野の経済政策ですが、この金融政策を担当するのは日本政府ではなく、お金を発行する中央銀行です。日本の場合は日本銀行が中央銀行です。日本銀行は世の中の金融機関がお金を極短期間だけ貸し借りする取引市場の金利を参考にして金融政策を決めていました。世の中にお金をたくさん流通させたいときには日本銀行は世の中の金融機関から債権などを買い取り、世の中の金融機関にお金を渡し世の中の金融機関が資金不足になる状況を減らし、世の中の金融機関が他の金融機関から短期間お金を借りるような機会を減らすことで金融機関同士でのお金の貸し借りの金利を結果的に低下させます。世の中の金融機関が低い金利で資金を手に入れることが出来る状況になれば、そのお金を世の中の個人や企業にお金を貸す場合、低めの金利でお金を貸しても世の中の金融機関は利益を出すことが出来ます。低い金利で個人や企業が金融機関からお金を借りることが出来るのなら、支払う利子が少なくて済みますので金融機関から世の中の人々がお金を借りる件数も増加します。金融機関からお金を借りた個人や企業はその借りたお金を使って消費活動をします。結果的に世の中の消費活動が活発になりますから景気をよくする方向にはたらきます。日本銀行が金利を下げる方向に動けば景気が良くなる方向に世の中は変化するわけです。前置きが長くなって申し訳ありません。日本銀行が世の中の金利を調節するために利用していた金融機関同士で取引する特定の市場の金利。これを出来るだけ下げようとしたゼロ金利政策は西暦1999年(平成11年)2月12日におこなわれた日本銀行の政策決定会合で決定され2月15日から実施されました。

 

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最初のゼロ金利政策はそれ程長く続けられていません

 

1999年の2月から始まった日本銀行による最初のゼロ金利政策は何年も続いたわけではありません。2000年の8月11日の日本銀行政策決定会合でこの金融政策を解除することが決められたことによりゼロ金利政策は一旦終わりました。一年半の間実施されていたことになります。しかしその後またこの金融政策が実施されていくことになります。2001年の3月からまた実施されることになりました。

 

ゼロ金利政策をなぜ実施したのでしょう

 

当時の日本銀行の一番偉い方、総裁が金融機関同士で短期間お金を貸し借りする市場の金利について、ゼロになってもいいという主旨の発言をしたことがこの金融政策を「ゼロ金利政策」と呼ぶようになった由来となっているのだそうです。このゼロ金利政策は何を理由に採用されるようになったのでしょう。1999年の2月、国債の売買がおこなわれる市場で日本の長期金利がそれ以前に比べて上昇してしまうような変化が起きていました。

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1998年10月には0.735%でしたが1999年2月5日には2.44%まで上昇しています。長期金利というのは日本政府が発行する10年国債の金利のことです。日本の国債の長期金利がそれまでに比べて上昇すると、より多くの利子がもらえる国債になるので世界的に人気が上がります。日本国債を購入するために他国の人は自分の持っている通貨を売って日本の通貨円を買い国債を購入します。円が買われる頻度が増加することで円の価値が上昇し円高になります。円高になると日本の輸出産業にとって負担になります。輸出する製品が輸出先でより高い値段で販売されることになるので。また長期金利が上昇すると日本株を持っていた人々の中で、日本株を売り日本国債を購入する人が増えていきます。上がるか下がるかわからない株を持っているよりも、より金利が高くなった日本国債を保有して確実に利子を受け取ったほうがいいと考える人たちが出てくるからです。株が多く売られると株価は下がる方法に動きやすくなります。長期金利の上昇で円高になる、株価が下落するといった影響が出てくると考えられました。円高になって輸出が伸び悩んだり日本の株式市場の株価が下がると日本の景気に悪い影響が出てしまいます。長期金利によるそのような日本経済への悪影響を避けるために日本銀行はゼロ金利政策という金融政策をとる決断をしたわけです。

 

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今回は日本銀行の経済政策について取りあげました。その後日本のデフレ状態を変えるためにゼロ金利政策の他にも量的緩和とかマイナス金利といった政策が出てくることになります。最近言論機関で取りあげられる金融政策は、いま日銀がおこなっている金融政策ですから、おのずと量的緩和やマイナス金利の話になりますけれど、その前にはどのような手をうっていたのだろうということを知る上でこのゼロ金利政策というのは欠かすことの出来ない話なのでしょうから、個人的に分からないことが多かったものの記事にしてみました。日本銀行がゼロ金利政策を実施しましたと言われても私はピンと来ませんでしたが、これは日本の経済状態が悪化するのを回避しようとしてとられた手段だったということのようです。そう考えると多くの国民にとって必要な対応だよなと少しはわかるような気もしてきました。何で金利が上がったり下がったりするのを調整しようとするのか表面を見てもわかりませんでしたけれど、金利というのは世の中の消費の動きや通貨の価値、株価を変動させるものなんですね。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

今回の話の前に実施された経済政策について触れている記事「消費税が5%に増税された時期はいつだったでしょう」はこちらです。

中央銀行が関わる経済政策について触れている話「中央銀行が行う量的緩和とは?意味や日本での結果について」はこちらです。

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