フランスの暴動の要因とも言われた燃料税の値上げとは

フランスの燃料税の値上げとは

この記事を作成しているのは平成三十年、西暦2018年12月~1月にかけてです。テレビを見ているとニュース番組で時々フランスのデモや暴動の話を取りあげていたように思います。その中でデモ参加者は燃料の値上げに怒ったから活動しているといった番組側の見方が紹介されていた気がしました。フランスでおこなわれている燃料の値上げとは一体どのようなものなのでしょう。フランス政府は自動車の燃料にかける税金を徐々に増やしていくという政策を実施しており、西暦2018年の現在はそのまっ最中なのだそうです。税金の増え方が馬鹿にならず、自動車を運転するのに当然燃料が必要なわけですから車を運転する人たちを中心に政府の方針に対し反発が広がっていきました。フランス政府が人々の反発している自動車燃料の税金の値上げをするようになったのは環境対策のためです。

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どういった値上げの仕方なのでしょう

自動車の燃料としてガソリンもありますし、ディーゼルエンジンを動かす燃料である軽油のような燃料もあります。そういった燃料の種類によってかけられる税率も異なっているようですが、ガソリンもディーゼル用燃料も西暦2018年に入って既に増税されていて、当初の予定では2019年1月1日から炭素税と呼ばれる税金を自動車燃料に対して更に課すこととなっていました(最近の報道ですと2019年1月1日からの課税は延期する方針になったようです)。2018年はガソリンですと1リットルあたり3.9ユーロセント値上げされて、ディーゼル用燃料の場合は1リットルあたり7.6ユーロセント値上げされたのだとか。通貨の単位について補足しますが1ユーロ=100ユーロセントとなっています。1ユーロは最近の為替交換比率ですと1ユーロ=128円くらいになっていますので1ユーロセントは1.2円か1.3円くらいということになります。もし1度の給油で30リットル入れるとなりますとガソリンで117ユーロセント(だいたい140円くらい)、ディーゼル用燃料の場合は228ユーロセント(だいたい273円くらい)運転している人たちの支払うお金の額が増えてしまうことになります。人によって給油の頻度は当然様々でしょうが一度の給油で300円近く負担が増えるならやっぱり痛いですよね。ちなみにフランスではガソリン車よりディーゼル車のほうが多く利用されているそうです。ここで説明したのは2018年に既に増やされた税金の話です。

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2019年はどれくらい増税する予定だったのでしょう

デモなどといった形で反発が強まったため、燃料にかけられる増税を延期するといった流れになって来ていますが、もともとはどれくらい増やす予定だったのでしょう。2019年の1月からガソリンの場合はさらに1リットルあたり2.9ユーロセント、ディーゼル用燃料の場合は1リットルあたり6.5ユーロセント増税される予定でした。前の項目のように30リットル給油したと仮定しますとガソリンの場合87ユーロセント(大体104円くらい)、ディーゼル用燃料の場合は195ユーロセント(大体234円くらい)支払いが増えることになります。2018年に増えた負担と合わせますと30リットル給油でガソリンの場合は244円くらい、ディーゼル用燃料の場合は507円くらい負担が増えてしまうことになります。一回の給油で500円負担が増えたらきついですよね。

さらに・・・

この自動車用燃料にかけられる税率、実は2019年の初めに予定されていた増税で終わる予定にはなっていませんでした。2022年までにさらに段階的に増税する方針となっています。2019年の増税の時点でこれくらい負担が増えている中さらに負担が増やされるとなると車を運転されている方たちとしては勘弁してくれと言いたくなるのでしょう。また生活に欠かせないガスや電気の料金も値上げされていくことになっているそうですのでフランスの人々の出費がかさむ話は自動車燃料に限ったものではないようです。

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今回はフランスの自動車燃料にかかる税の値上げについて取り上げました。政府に対する反対意思の表示がすごく過激になったことで日本の報道機関もたびたび取り上げるようになり、個人的にこのような出来事が起きているのを知ることとなりました。どれくらい負担が大きくなってしまうのか確認してみたく今回のようなテーマの記事にしてみた次第です。ガソリンに比べディーゼル用燃料の値上がりはかなり急激なことがわかりました。自家用車が無いと生活上何かと不便な地方の人々の間でも強い反発が出ているようです。地球温暖化対策のための予算を確保するという名目でこのような燃料に対する税の値上げがおこなわれているそうですが、本当に2022年まで燃料を値上げし続けていくことが出来るものなのか今回のフランス国民の反応を見てみると、ちょっと無理なのではないかと個人的には感じました。気候変動に大気中の二酸化炭素の濃度が関係しているということなら対策をとらなければならないのでしょうけれど人々の生活が成り立たなくなってしまうような税負担を課すことになったら何のための環境対策なのか疑問を持つ人もたくさん出てくるのでしょう。二酸化炭素の濃度を減らすための対策にどれくらいのお金がかかってしまうものなのか、その必要と想定される金額が本当に妥当な額なのか、わからないことが沢山あることも人々の反発を招く要因になっているのかもしれません。日本も二酸化炭素の排出量を減らさなければならないというフランスと同様の立場ですから環境保護のための予算確保のためにフランス政府のように日本政府が国民に負担を求めてくることになるのでしょう。許容範囲内の負担でないならば日本でも強い反発が起きるのかもしれません。

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

イタリアで支持を集めている政治勢力について触れている話「イタリアの五つ星運動が掲げる政策はどんな内容なのでしょう」はこちらです。

水道料金の値上げについて触れている話「水道管理を民間委託したらどんなデメリットがあるのでしょう」はこちらです。

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