いらっしゃいませ！気になったテーマで記事を書いております。

• 2018.11.24
• 平安時代から室町時代が始まる前までの話題です, 現在の社会にいたるまでの歴史に関する話題です
• 朝鮮半島, 武士, 王朝（中国大陸の大国）, 経済

元寇が起きた原因は簡単に言うと何だったのでしょう

元寇の原因は簡単に言うと

 

鎌倉時代の日本にモンゴル民族の帝国、元（げん）が侵攻してきた出来事、元寇（げんこう）は文永１１年、西暦１２７４年と弘安４年、西暦１２８１年に起きています。周りを海で取り囲まれている我が国、日本の本土が他国の勢力から攻撃を受けるということは鎌倉時代においては他に例がなく、その後の室町時代にも戦国時代にも安土、桃山時代にもありませんでした（鎌倉時代の前の時代、平安時代には女真族と見られる勢力が侵攻してきたこともあったそうです）。大変まれな出来事であった元寇ですが、何が原因で起きたのでしょう。簡単に言えば、当時の政治を仕切っていた鎌倉幕府がモンゴル民族の帝国、元の意向に従わなかったからだと言えます。元は日本の指導者に使者を複数回（５回とか６回と言われているようです）派遣しましたが日本側（鎌倉幕府）は元の意図に従うことはできないという理由で返事をしない、回答しないという反応に終始しました。そのような経緯があったので元の指導者フビライは日本が元に服属する気が無いと見なし攻撃を仕掛けてきました。元の指導者が日本に目を付けた原因としては、簡単に言うと元の敵と日本が交易していたことがよく挙げられるようですし、当時の日本で価値のある金属、金（きん）がたくさん産出されるという情報があったからという見方もあるようです。当然支配領域を拡大したいという単純な意図もあったのでしょう。当時の朝鮮半島の国、高麗も戦いの末、元の属国となっていましたので、朝鮮半島と大変近い国である日本に元が目を付けるのは当然と言えます。元寇の原因は簡単に言うと以上のようなことが言えるかと思います。以下の項目では今出てきた内容について少し補足してみます。

 

鎌倉幕府はなぜ元のはたらきかけを拒否したのでしょう

 

元は日本に自国の従属国になるよう要求してきました。対等な関係での交流を求めてきたわけではなかったようです。使者が持参した文書の表現自体は交流して仲良くしようといった感じの、それ程乱暴なものではなかったようですが、文書の最後の部分には誰が軍事力を使うことを望むであろうといった内容が書かれてあり、元の意向を拒否するなら武力侵攻するという考えを示していました。高麗国も日本に対し、元に従っておいたほうがいいよという内容の文書を送ってきていたそうです。しかし「我々元の服属国にならないなら攻撃する」といわれても、他国の属国になりたくない鎌倉幕府としては元を喜ばせる反応を示すことなど出来るはずがありませんでした。

 

元の敵と交易

 

元は中国大陸で宋という国と戦っていました。当時、中国大陸の南に存在していた国で南の宋ということで「南宋なんそう」と呼ばれているようです。元は大変強い国でしたが、なかなか南宋を攻め滅ぼすことが出来ないでいました。元は南宋に経済制裁して戦う力を削ごうとしたそうです。南宋は当時日本と交易していました。日本から戦いを継続するのに必要な物資が南宋に供給されるのは元にとって都合が悪いので日本を元の勢力下にして南宋との交易を止めさせたいという考えがあったそうです。

 

金

 

日本ではたくさんの金が産出されているという情報が他国で広まっていたそうです。マルコポーロというベネツィアという国の商人が話した内容を本にしたものが「東方見聞録」という名前の有名な書物になったそうですが、この本の中でも日本が黄金の国として書かれています。マルコポーロさんは中国大陸でそのようなうわさ話を聞き、日本について言及しました。東方見聞録は元寇よりも後の時代に世に出た書物のようですから元の軍事行動に関係するはずもありません。しかしマルコポーロさんが噂話を耳にした地域が中国大陸なわけですから、中国大陸で日本＝金のたくさん出るところという印象が強かったことを示す話ではあります。火薬の材料として使われる硫黄が産出されることでも日本は注目されたという見方があるようです。

 

今回は元寇の理由について一部取りあげました。ただ領土拡張することが目的だったのかもしれませんが、大国、元が日本を支配しようと考えた理由について確認したくこのようなテーマの記事にしてみた次第です。南宋との交易を元が止めたがったからという見方について初めて知ることとなりました。日本が中国大陸内の戦いに巻き込まれたという側面もあったのかもしれません。元が日本に対し対等な関係で交流しませんか？とはたらきかけたら日本はどんな姿勢を示したのでしょう。交易するくらいなら構いませんよといった返事でもしたのでしょうか。元が大変大きな国、強大な国ということは鎌倉幕府も承知していたでしょう。そのような国を相手に拒否する姿勢を示すというのは服属国なんて嫌に決まっていますから当然だとしても厳しい選択であることに間違いはありません。陸続きで元という国と隣接していたら日本はどうなっていたのだろうと考えますと非常に恐ろしい思いがします。周りを海に取り囲まれているという状況はこの場合当時の日本にとって大変幸運なことだったようです。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。　　<(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

蒙古・高麗による侵攻で日本が受けた影響について触れている話「元寇によって日本にはどのような影響があったのでしょう」はこちらです。

秀吉さんがおこなった朝鮮出兵の目的について触れている話「豊臣秀吉さんが朝鮮出兵を実行した目的は何だったのでしょう」はこちらです。