ドイツが難民受け入れを続けている理由は何なのでしょう

ドイツが難民受け入れを続けている理由

 

ヨーロッパ連合(EU)に参加している国々に他の地域出身の人たちが流入していることでEU参加国によっては受け入れを制限しようという意見も強まっているようです。参加国の国政選挙で受け入れ制限を主張する政党が議席を増やすようなニュースが報じられることもあります。そのような国がある中、難民の受け入れに寛容な国の一つとしてドイツ(正式名は「ドイツ連邦共和国」です)の名前がよく挙がります。難民受け入れに関してはEU参加国によって姿勢が様々なようですが、ドイツはなぜそのような寛容政策をこれまで続けてきたのでしょう。その理由としては国が過去におこなった行為についての思いがあるからとか、労働力として貴重だからとか、社会保障政策の維持にとって必要だからなどといったことが指摘されているようです。

 

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ドイツが過去におこなった行為についての思い

 

過去におこなった行為の「過去」というのは第二次世界大戦でドイツが降伏する以前のことを指しています。当時のドイツを率いていた政府はアドルフ・ヒトラーが代表の国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)という政治勢力によって動かされていました。ナチスは人種について差別的な考えを持っていました。ドイツ国民の大半を構成するアーリア人が最も優れている民族でありユダヤ人は忌まわしい民族であるという価値観を強く打ち出していたのです。当時のドイツでユダヤ人を国の政策として迫害、弾圧したことは有名な話かと思います。このような自分たちの勢力圏内で生活している少数民族を排除しようとする価値観についてナチスドイツが世界大戦に敗れた後、ドイツ国内では相当注力して改めるようになっていきました。ドイツ国内の教育機関でおこなわれる歴史の授業では過去にナチスがおこなったことを詳しく取りあげ、ナチスがおこなったことを今後のドイツは繰り返さないようにするべきだという教育が熱心におこなわれているそうです。第二次世界大戦が終了(西暦1945年)してから2018年で73年経過します。戦後おこなわれた教育を受けたドイツ国民が国民全体の多数を占めるようになっている状況ですので、難民となった他国の人々に対し強硬に排除するような主張は多くのドイツ国民にあまり受け入れられない傾向にありました。このような心情的な理由が難民受け入れについて寛容となっている大きな理由だという指摘は多いです。

 

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労働力の確保と社会保障の維持

 

ドイツが難民受け入れに関し寛容な理由としては他に慢性的に不足している労働力の確保や社会保障サービスの維持が挙げられることもあるようです。ドイツ社会は生まれる子供さんたちの数が減少するという少子化傾向にあり、社会を維持していくための労働者の不足が懸念されているそうです。ドイツ国内で働く人の数が減ればドイツ国内の経済成長の伸びも鈍ってしまうことになりますし、高齢者を支える現役世代が減ってしまいますと国民一人一人の背負う負担も大きなものになり社会保障サービスを維持していくことが難しくなってしまいます。ドイツ国内で生まれる子供たちの数が少ない、でも労働する人々の数、現役世代の数を維持したい。その為には難民や移民を受け入れるという方法が有効だというわけで寛容政策をとらざるを得ない、そんな指摘もあるようです。

 

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今回はドイツが難民受け入れに寛容な理由について一部取りあげました。最近ドイツを率いている政権内部で難民受け入れに関する姿勢に関し意見対立が生じているというニュースを目にすることがあり、オーストリアやハンガリーなど移民、難民に対して規制を強めている国がある中、ドイツが寛容な姿勢を続けている理由は何なのだろうと思いこのようなテーマで記事を作ってみることにしました。心情的な理由の他にも少子高齢化のせいで労働者数が減少してしまうのを防がなければならないという苦しい事情があることを知りました。日本の他にも少子高齢化で困っている国はあるんですね。ドイツが困っている労働力不足という課題は日本も克服しなければならない課題の一つであり、有効かどうかは私にはよくわかりませんが日本政府も少子化対策や他国の人を労働者として国内で受け入れる政策を促進しているようです。当然ドイツ国内でも難民の流入に反対の意見もあり、他国の人による衝撃的な事件が発生したことをきっかけに難民、移民流入を規制する意見も強まってきてはいるようです。従来の政党に比べ難民移民規制を促進しようとする新たなドイツの政党が2017年9月におこなわれた国政選挙で大きく議席を伸ばしたという話もありました。そういった選挙結果は寛容なドイツ世論であっても、あまり制限のない他国の人々の流入は心配だということの表れなのかもしれませんしドイツの政権内で意見対立が起きているのも国内で流入規制強化の意見が強まっているからなのかもしれません。

 

今回の記事は以上となります。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。  <(_ _)>

※記事内容と掲載している写真に関係はございません。ご了承ください。

イタリアで支持を集めている政党について触れている話「イタリアの五つ星運動が掲げる政策はどんな内容なのでしょう」はこちらです。

欧州連合加盟国の経済規模について触れている話「EU加盟国(主要国)の経済規模や負担金、独自通貨について」はこちらです。

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